初心者が作った真空管の説明

真空管の種類

 真空管の開発された歴史、種類などを私自身の勉強も兼ね、掲載したいと思います。また、これから真空管を使ってみたいという方の為に少しでもお役に立てれば嬉しく思います。
前後している箇所、誤り等、新たな情報がございましたらみんなのラジオ掲示板などに、ご一報いただけたらと思います。

 真空管は、用途により分類されています。ここで取り上げるのは、主にラジオ用受信管とTV管を取り上げたいと思います。
工業用や通信用の送信管などの特殊なものは説明の都合上出てくるかもしれませんが、極力省きたいと思います。
記述内に憶測箇所もあります。ご了承下さい。


 真空管は発明されてから長い年月が経っております。現在のトランジスターやIC、LSIなどより長く、定かではありませんが100年くらいは経過していると思います。これら、半導体も真空管なしでは、現在のエレクトロニクスの進歩がなかったのではないでしょうか。発明された当初は、2極管、更に3極管が作られ、実用化されたとのではないかと想像ができます。
下の写真はもう、手元にありませんが、戦前、戦中のST管や、戦後作られたGT管です。

 最初に、実用化された真空管は、左のような形をした3極管だったようです。
大変貴重な画像等の提供をいただきました。ありがとうございます。<2004.3.3>
 当時の技術力では、真空度も低く、ポンプで空気を抜いただけなのでしょうか。寿命が短かったと聞きます。現物は見たことがありません。
 頂きました情報では、画像は、WE-101Fの球形管、1927年頃開発されたものだそうです。
 
 次に出てきたものは、ナス管と呼ばれるもので、野菜の茄子に似た形をしています。
しかし、性能もまだまだというところです。後期になって、ゲッターといって中の真空度を高くする工法が用いられるようになりました。
ゲッターとは、桐のゲタではありません。製造工程で、バルブの中にマグネシウム、他にはリンもあったそうですが、中に入れて最終工程で蒸発させてしまうという工法でした。真空管の一部が鏡のようになっているのがそうです。正確にはキーパーと言うそうですが、ゲッターと覚えていました。これにより、真空度がかなり改善され長持ちするようになったそうです。

写真は、マツダUX−201Aです。

OMさんから、画像のご提供いただきました。<2003.10.15.>


 ナス管の次にはST管が作られました。ドーム型ともいいます。
他には、ダルマ管とも・・・やはり廻りはガラスでできています。性能はナスに比べ格段と良くなりました。更に4極、5極管そして7極管も開発され、複合管も作られ始めました。この頃には日本独自の真空管も作られ始めました。大きさも手頃で不器用な私でも配線が楽に行えます。
写真はマツダのUZ-41です。何でも、珍しいということです。
これも日本では、軍事用に作られたものだとか・・

下写真はST管を列べたもの


 ST管の次はというと・・
メタル管というもので、ガラスに変わって金属で作られたものです。この黒光りも渋くて好きですが、中が見えないという欠点?があります。使用上問題は全くありません。しかも、割れないし、少々乱暴に扱っても壊れることがありません。ST管よりも随分小型になりました。
 ただ、中味が見えないという欠点があり、真空管マニアには人気が少なく、余り好まれないようです。
写真は6K8です。この黒の渋さが良いのですが・・
 
この頃、更に小型のピーナット管という私も初めて聞くような真空管が開発されました。GT管を小さくしたような感じで、脚が5本でUYにならず小型なのでUyとか・・アメリカではポータブルラジオの真空管だったそうです。国産球はUy-11MとUy-14Mなどがあるようで、軍事用に作られたということです。これは、特別なソケットを使います。

 メタル管は中が見えないということで、中を見えるようにメタル管が改良されたそうです。ただ、中小のメーカーでは技術が追いつかずガラスバルブに金属を被せただけのものを作りました。これをMG管(メタル、ガラス管)というそうです。これら、メタル管も含めて主に軍事用として開発されました。この頃「ソラ」という低周波から高周波まで対応するという真空管も開発されていたようです。戦渦の中で耐久性、便利さを求められたのでしょう・・・
ご参考に、OMさんのホームページに作られたものがあります。 ソラを用いた自作ラジオが掲載されています。
左上の写真、左はRH-4、右がUSAの6N6MGのMG管です。その下の写真はピーナット管です。左がUy-11M、右がUSAのHY115です。緑のバックスクリーンの升目の大きさを上のMG管と比べるといかに小型か、確認できます。
ソラはGT管に分類され、それ以前に東芝が「Hシリーズ」の真空管を開発していて、RH-2、RH-4、RH-8、CH-1などがあり、同じようにガラス管にメタルを被せ頭部から、ヒーターの点火の様子が分かる様になっていたそうです。これをH管と呼んでいたようで、東芝独自の技術であったようです。このH管もMG管の仲間ということが判りました。
これらの貴重な写真などは、OMさんからいただきました。

この頃より以前に、更に小さなエーコン管も開発されていたようです。エーコン管は初期の超短波管です。ドングリのような形をした真空管だそうですが、見たこともありません。
 後日、エーコン管をいただきました。想像をしていたよりも小型で驚きました。本当にドングリみたいです。
 写真は、エーコン管956とエーコンの元箱、コナラの実、クヌギの実です。ドングリと撮影したものです。この球は、実際はソケットが大きく、ラジオを作るには、あまり向かないとか・・・
ご参考に、OMさんのホームページに
エーコン管を用いた自作ラジオが掲載されています。
 下の写真は、メタル部を外したMG管OY4という球、OMさんが、わざわざ分解した貴重な写真を送ってくれました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
メタルから出ている線は、メタル部のアース線と思います。このようなバルブが中に入っていたのですね。

 メタル管は中が見えないという欠点?を改善して、またガラスに戻ったものをGT管といいます。ST管より小型ですが、メタル管より太目のものです。
写真はナショナル6SK7−GTです。ベース部がメタルで格好良いと思います。

 上部写真は東芝7591、ナショナル6CA7、NECの6L6GCです。
この6L6GCもかなり歴史があり、6L6から始まって、6L6GCのように電力増幅に分かれたものと、807系の送信管に分かれたものがあるそうです。これら6L6ファミリーはアアマチュアーには馴染みの深い球かもしれません。6L6GCはAB1級ppで55Wを絞り出すアンプが出来ます。中央の6CA7に至っては少々無理をすればB級で100Wを得ることが出来ます。7591は少しパワーが落ちますがAB1級ppで25〜50Wのアンプが作れるとか・・・

 GTベースのダルマ型もあります。GTベースにST管を付けたような真空管でG管といいます。
写真は6K7−Gです。OMさんにスーパーのセット分いただきましたので、いずれ組み上げる予定です。一見ST管のセットに見えるので楽しそうです。


しかし考えてみると、GTベースにST管ですから順番は、メタルより前?STベースよりGTベースの方が振動によって抜けることは少ない、よってメタルの前ではないのかなかと疑問が出てきました。???
しかし、6L6は6L6Gとなり6L6GC(GT管)になったとも聞いたこともあります。とすれば6L6はメタル、6L6−GはG管、6L6−GCはGT管???
分からなくなりました。多分G管はGT管の前だと思います・・


 GT管みたいですが、ベースが違うものもあります。ロクタル管といいます、これは、差し込むと、カチッとロックされる感じで、少々の振動でも抜けることがありません。GT管とどちらが先に作られたのか分かりません。が、構造から考えるとGTより後?かも・・

 ロクタル管についてもOMさんから情報をいただきました。これもやはりGT管より後に制作されたそうです。
底部を見るとセンターピンでロックされるようになっています。GT管よりかなり小型になっています。欠点を改良していったのでしょう。ただベース部は規格がありますので色々種類を作るということは、大変だったのでしょうね。

 真空管で一番長く使用されたのは、写真のようなMT管です。このMT管の時代には各種の規格のものが作られました。GT管よりずっと小型です。欠点といえば放熱の関係でしょうか、小型の為、熱を逃がすのに大変苦労します。中には真空管に放熱器を取り付けたものもありました。しばらくして、ラジオはトランジスターに変わってしまいましたが、もっぱらTVは真空管の時代がしばらく続きました。トランジスターでは高電圧に耐えうるものがなくTVまでは、ラジオのようにすんなり変わることもなかったようです。今の時代真空管といえばTVのブラウン管くらいでしょうか?勿論、真空管とはいいませんが・・・
写真は日立50BM8です。
MT管もこれだけ列べると美しい?と思います。殆どTV管ですが・・

 MT管より更に小型のものが現れました。ニュービスタといいます。また、ニュービスタに外形の似た小型金属管も現れました。
写真はST管と列べて撮影したニュービスタ管2B−H5(日立)です。小型ですね。これは、真空管時代末期のものだそうです。TV用に開発されました。

 上の写真は12ピンのコンパクトロン、MT管、サブミニュチュア管、ニュービスタの長いものです。他に高信頼受信管としてセラミック受信管が現れます。ガラス部をセラミックにして凄く小さくしたものです。
セラミック管等はUHF帯の増幅用として作られました。7077と呼ばれるものです。もう、ヒーターの灯りは見えない構造になっています。
しかし、これらの小型で高性能な真空管が出現したにも関わらず、その上の性能を誇るトランジスターやICには適いませんでした。そして、需要が無くなってきた真空管達は、もう家庭用ラジオやテレビの部品として活躍することが無くなってしまいました。

このページは、OMさんに色々とご協力をいただきました。初心者の私には知らないことが沢山あり、真空管の歴史など大変勉強になりました。貴重な写真など、情報ありがとうございました。心より御礼申し上げます。


<2003.10.12>

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